今月はサンクスギビング、来月はクリスマスと人が集うことの多いこの時期には欠かせない Long Island の JERICHO にある“Jericho Cider Mill”をご紹介します。
もともとCider Millというのはリンゴを絞ってジュースにする場所やそのための機械のことを指します。生の リンゴを絞ってそのままの漉していないジュースのことを米国では”アップルサイダー”と呼びます。
サイダーと言っても炭酸が入ったものではなく、リンゴそのものを飲んでいるように感じる濃いジュースです。 濾過もしていないため貯蔵期限が制限され、地域限定で秋冬だけ販売され、シーズンが終わると店も半年閉まってしまいます。
その昔、Cider Millは畑に隣接して多く作られ、このJericho Cider Millも1840年頃に最初のオーナーが開けた時には、リンゴ畑に囲まれていました。その後19世紀になって、ここではchampagne ciderと呼ばれるリンゴから作るお酒が主流に作られ、人気を博していたそうです。20世紀に入り、クエーカー(キリスト教の一派)のHicks Familyに買われ、今と同じノンアルコールのサイダーやアップルビネガーを生産するようになりました。
その後John Zulkofske というFarmerがビジネスを買って以来、このZulkofskeファミリーが1世紀にわたる家族経営を続け今に至っています。その間に周りのリンゴ畑は住宅地になり、今ではリンゴはHudson Valleyから毎日運ばれていますが、昔ながらの製法で美味しいサイダーを秋から冬にかけて生産、地元で販売し、愛され続けています。
Jericho Cider Millのもう一つの人気商品はフルーツをたっぷり使った美味しいパイやジャム、中でもApple PieはNYのホリデーシーズンに欠かせないデザートです。
1968年に今のオーナーGeorgeのお母様が焼いたパイを店に並べたところ大人気に! それ以来、今日までシーズン最初に焼くパイはお母様が実際に焼いていた古いオーブンを使って作るのがトラディョンになっているとのこと、長年にわたり同じレシピで作り続けられて、週末にはこのパイを求めて長い行列ができています。
いろいろなパイがありますが、私の一押しはApple Crumble Pie、クッキーを崩したような Crumble が飴色の煮リンゴにたっぷりかかったパイは、トラディショナルな パイとはまた違う美味しさです。このパイの中身の煮リンゴとCrumbleだけをパイ皮なしにアルミのケースに入れて商品になっていますが、これもアイスクリームを合わせると絶品で、ホールパイを買うよりは安価で素敵なおやつになりお薦めです。
リンゴを丸ままキャンディで包んだアップルキャンディーは子供たちの大好物。もちろん搾りたてのApple Cider は 砂糖を一切使わない優しい甘さで、我が家の秋冬の冷蔵庫の必需アイテムです。温めてシナモンスティックを入れ 暖炉の前で飲むとより美味しいです、というのは気のせいでしょうか(笑)
街道沿いにポツンとあるお店で見つけにくいのですが、かわいいリンゴの看板を目安に、是非一度訪れてみてください!!
https://jerichocider.com/
213 Jericho Oyster Bay Rd, Jericho, NY 11753
(516) 433-3360